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HACCPとは?意味・義務化・目的・対象企業や何をするのかなどの対策方法を解説 第1回 (全5回)

第1回:HACCPとは?意味や義務化について

HACCP(ハサップ)とは?意味、正式名称を簡単に解説

HACCP とは Hazard(危害)Analysis(分析)Critical(重大な)Control(管理) Point(点)の頭文字をとって HACCP と呼ばれます。日本語では「危害要因分析・重要管理点」と訳されることが多いです。ハサップまたはハセップと呼ぶことが一般的です。ハシップと呼ぶケースも一部あるようですが公式的にどういう呼称が正解というのはありません。※1

HACCP

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HACCP とは?HA(危害要因分析)と CCP(重要管理点)

これは簡単に言うと国際的な食品衛生管理の手法です。もともとはアメリカの NASA の宇宙食を安全に生産するために作られたシステムで WHO(世界保健機関)と FAO(国際連合食糧農業機関)の合同機関である Codex委員会により発表されました。各製造工程における危害(Hazard)を最重要管理点として管理(CCP)し、起こりうるリスクを分析し、人体に危害が起きる可能性を限りなく減らすための衛生管理手法です。HACCP の考え方では人体の生命に影響を及ぼすものを危害(Hazard)と位置付けます。例えば有害な病原微生物や肉の骨片、刃物、アレルギー物質などは危害要因として管理しますが逆にビニール片や毛髪などは一般衛生管理(OPRP)として扱われます。

各工程における危害要因がどういうもので、これをどう殺滅、除去するのか CCP(重要管理点)の基準を定めます。その基準を逸脱した時、その製品をどうすれば元のラインに戻せるのか(改善措置)、戻せないと判断された基準を逸脱した商品をどう取り扱うのかまで細かく決め逸脱した製品が出荷されないよう Codex の12手順7原則に従い管理していきます。

HA(危害要因分析)と CCP(重要管理点)の一例
HA(危害要因分析)と CCP(重要管理点)の一例

HACCP と食品衛生法と義務化について

HACCP の食品衛生管理システム自体が今回の法改正で初めて日本に導入されたわけではありません。日本では1998年に初めて HACCP支援法が制定され(2013年改正)食品事業者の HACCP導入推進のために制定されましたが、導入当初、中小企業では導入が進んでいませんでした。現状でも大手企業では8割近く導入されている反面中小企業においては約3割しか HACCPシステムの導入が進んでいません。
今回の法改正の目的はまず国内の少子高齢化による国内消費が減少傾向ですのでここで法制化して輸出推進したいというのが一番の目的と考えています。また今回の法改正は前回の改正から15年ぶりの改正なわけですが食品事業者の食中毒事件の減少が下げ止まりしていること、食嗜好の変化、世界全体で見ると先進7か国の中で HACCP が義務化されていないのは日本だけで国際社会から遅れを取っていたことから義務化が急がれたものと考えられます。

そこで具体的に今回厚生労働省から発表されている食品衛生法改正の概要は下図のように大きく分けて7つあります。

食品衛生法等の一部を改正する法律の概要
食品衛生法等の一部を改正する法律の概要※2

※2 原則、すべての食品事業者が対象となっています。
出展:厚生労働省「食品衛生法概要」
https://www.mhlw.go.jp/content/11131500/000345946.pdf

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第1回では、HACCP の意味や義務化について解説しました。次回は、食品衛生法改正の概要についてご紹介します。

第2回:食品衛生法改正の概要

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