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HACCPとは?意味・義務化・目的・対象企業や何をするのかなどの対策方法を解説 第5回 (全5回)

第5回:HACCPの対策における問題点とシステム化

HACCPとは 資料請求

HACCP 対応時の注意点

HACCP の取り組みを行う際に気を付けることとして以下のようなことがあります。

1. 自分事として取り組むこと(日常的な教育訓練が重要)

HACCP は従業員がワンチームとなって実施してこその衛生管理システムですので、自分のこととして取り組まない従業員がいれば、食品事故は起こり得ます。日常的な教育、訓練が重要になってきます。

2. 資格取得が目的となってはいけない(日常的に取り組むこと)

「第3回:HACCP の必要性・目的と管理者や認証・認定について」にも記述しましたが認証資格や認定資格は多数あります。しかし、日常的な取り組みよりも資格を取ることに重きを置くことで、認証を取るためだけの中身のない HACCP衛生管理システムとなってしまいます。そうなった末路は必ず食品事故が起こります。

過去に、ある乳製品製造工場が大規模な黄色ブドウ球菌食中毒を起こしました。総合衛生管理製造過程(マル総)の承認工場でしたが、従業員の知識不足により誤って出荷してしまい、大規模な食中毒事件となりました。誰もが知る歴史あるブランドを変えざるを得なくなりました。会社の上層部は認証を取ったことに満足してしまい、現場まで HACCP の考えが浸透せず十分な教育訓練が行われていなかったことが原因です。

このようなことを起さないためにも、資格取得だけに満足せず日常的に取り組むことが必要になります。

3. 正確な記録が取れる仕組みを作る(記録や書類の量は適切に / IT化も検討する)

HACCPでは、多数の記録や書類が存在し業務が膨大になり、手作業だとケアレスミスも増え、正確なデータが取れないのも現状の問題点と言えます。IT化も視野に入れながら、正確なデータ取得・記録を検討してみてはいかがでしょうか。

このように HACCP の衛生管理は従業員の日常的教育訓練が必要で、しっかりと計画し実施してみて、改善の余地があれば改善し、また実施をして・・・を繰り返し、常に見直し、従業員が一体となって行うことがなにより重要です。

HACCP対応時の注意点

HACCP のデータ記録の問題点を解決するシステム

IT技術の目覚ましい今日、なにも全て目視をし、アナログで記録を取っていく必要はありません。温度管理の必要な冷蔵庫や冷凍庫、芯温記録を自動的に採取し、自動的に記録に起こしてくれるもの、輸送中の原材料の温度が適切であるか自動的に記録を取ってくれるもの、原材料の原産地や入荷日、消費期限、ロットを管理するトレーサビリティーのシステム、食品表示を適正に行うためのシステム、さらには HACCP の衛生管理計画をフローに沿って入力していけば、自動的に文書が作成できるシステム、Codex の 12手順 7原則に沿った HACCPプランが作成できるシステム、従業員の衛生管理をする上で欠かせない体温管理も、計測すれば自動的にクラウド上に保存管理してくれるものもあります。
HACCP の衛生管理はあくまで衛生管理の手法であり、機械や設備が完璧でなければいけないものでもありません。今あるマンパワーを有効に活用し、データ取得を正確かつ定期的に見直すことにより、衛生管理と生産性の格段の向上が見込まれます。全てアナログで実施しようとせず、IT技術に頼れるものは頼ることも選択肢の一つにしてはいかがでしょうか。

ITを活用したHACCP(例)

HACCP向け食品温度管理システム

HACCP とは?まとめ

改正食品衛生法の経過措置期間終了期日が 2021年5月末と迫ってきました(容器包装は 2025年5月末)。全世界的に新型コロナウイルスの感染拡大が止まらず、食品業界のみならず各業界で真っ暗なトンネルをゴールが見えないまま進んでいるような状況かと思います。そのような時にさらに法改正となると不安が募り疲弊していることと存じます。ただ明けない夜はありません。当初、新型コロナのワクチン開発も 3年もしくは 5年、もしかしたらもっと先かもしれないと言われていました。しかし 1年で開発され、全世界でワクチンの接種が始まっています。このように今できることを着実に行えば、必ず将来の道は見えてきます。

大変な世界情勢ではありますが、少しずつ準備を進めていきませんか。

今までのやり方をまるっきり変えなければいけないものでもありません。職人の経験や勘で今までやってきたものを少し見直して、誰でもできるよう見える化するのが今回の法改正です。より良い品質、安全安心な製品を消費者へ届けるための有効な手段です。また、日本の「食」は世界的にも大変関心が高い事は間違いありません。この新型コロナ感染症の終息が見えたころには必ずインバウンド需要も戻り、海外からの引き合いも確実に増えていきます。そういった時に自信をもって自社の製品を世界に発信できる準備を今のうちにしておきませんか?食品衛生のコンサルタントが全力でサポートさせていただきます。

HACCP向けスーパー食品温度管理システム

HACCP義務化で、食品の温度管理が課題になっていませんか?

HACCP向けスーパー食品温度管理システム
HACCP向けスーパー食品温度管理システム

「HACCP向けスーパー食品温度管理システム」では、温度管理が必要なところにセンサを設置するだけで、データを自動で収集して記録・保管します。センサは電池で動作するため電源が取れない倉庫内でも設置が可能です。
記録したデータは、パソコン、スマホ、タブレットを使って、「いつでも」「どこでも」確認ができ、日報や月報を簡単に出力することもできます。

関連情報・サービス

  • HACCP向けスーパー食品温度管理システム

    温度管理が必要なところにセンサを設置するだけで、温度データを自動で収集して記録・保管するシステムです。センサは電池で作動。記録したデータはパソコン、スマホ、タブレットを使っていつでも確認できます。

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