電界にまつわるソフトウェアノイズ除去技術への取り組み
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本コラムでは当社が取り組む電界信号上のノイズに対するソフトウェアノイズ除去について紹介します。従来ハードウェアで行う電界信号のノイズ除去に対し、ソフトウェアにて代わりに行うことで、ハードウェアコストの削減や汎用性に寄与すべく取り組みを行っております。本技術がノイズ除去を検討されている方の一助となれば幸いです。
電界におけるノイズとは
電界の変化を利用した電子機器にはさまざまな機器があり、代表的な電子機器として、静電容量方式のタッチセンサ、指紋センサがあります。
世の中には電界変化の測定を阻害するさまざまな電気的なノイズが存在します。そのため、これらの電子機器開発には必ずノイズ除去を意識した設計が必要となります。
電界に関連したノイズには、コンセントなどの電源から入り込むノイズを始めとして、他の電子機器から発生する電波、利用する人が持っている静電気などがあります。
ノイズの原因を特定し、原因に合わせてハードウェア上でノイズ除去を行うことが一般的なノイズ除去となります。しかし、使用環境によりノイズの原因が変わることも多いため、ハードウェア上でのみノイズ除去を行った場合、多種多様なノイズ除去を全てハードウェア上に搭載する必要があります。これにより、コストアップやハードウェアサイズの増大といったデメリットが発生します。
ソフトウェアでのノイズ除去技術開発
そこで、電気信号をデジタルデータ化した段階で除去できるノイズの存在に着目し、ノイズの特徴に合わせたノイズ除去をソフトウェアで行うことで、新たな価値を生み出せないかと考えました。
ノイズ除去方式 | メリット | デメリット |
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ハードウェア |
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ソフトウェア |
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ノイズ除去に対する取り組み
前述のように、ノイズは環境によって変化します。ハードウェアによるノイズ除去回路の場合、使用環境が変わることで搭載されたノイズ除去の効果が薄くなり、信号がノイズに埋もれる現象が起こりえます。そこで、ハードウェアでは大まかなノイズを除去し、ソフトウェアでは環境にあったノイズ除去を組み込みます。
ソフトウェアによるノイズ除去であれば、内部のパラメータを動的に変更できるようにすることにより、都度状況に応じた効果的なノイズ除去ができます。そのため、ハードウェアによるノイズ除去よりも環境依存が少なく、かつ低コスト、省スペースな電子機器を開発することが可能となります。
このページでは、電界におけるノイズの解説や当社の取り組みについて解説しました。次は、ノイズ除去技術への当社の取り組み事例についてご紹介します。