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HACCPとは?意味・義務化・目的・対象企業や何をするのかなどの対策方法を解説 第3回 (全5回)

第3回:HACCP の必要性・目的と管理者や認証・認定について

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HACCP の必要性・目的

HACCP は、これからの食品業界にとって必ず必要になってくるものです。「第1回:HACCPと食品衛生法と義務化について」で述べた通り、国内は少子高齢化により国内消費需要は徐々に減少傾向です。その上で視野に入れなければいけないのは海外市場への参入です。ただ、これには HACCP の衛生管理システムに沿って製造されていることが最低条件です。さらに現場の高齢化により人材不足も顕著です。今まで経験豊富な従業員が経験と勘で製造できていたものを、誰がどのように作っても統一化された品質レベルと衛生レベルを維持し、生産性を向上させる必要があります。これらを見える化する上でも HACCP の衛生管理システムは有効です。

HACCPの衛生管理システムで統一化された品質と衛生レベルの製品輸出を推進

HACCP の管理者・資格について

HACCP において経営者のコミットメントは最重要です。まず、HACCP を取り組むにあたって経営者と各製造部門の責任者を集めて HACCPチームを結成します。経営者とその HACCPチーム、品質管理部が一体となり、従業員に対して衛生管理の重要性を発信し、モチベーションを上げられるようなリーダーシップ、そして些細な異変を言いやすい雰囲気を作ることが管理者の役割です。

HACCPチームの結成

HACCP に関する資格ですが HACCP の管理者を国家資格として認定する制度はありません。ただし、国家資格所有者で HACCP の衛生管理システムに精通しているのは食品衛生管理者、管理栄養士、栄養士が比較的日常的に知見があるため、工場や集団調理施設の現場で HACCP に沿った衛生管理を行っていることが多いです。公的に近いものとして公益社団法人日本食品衛生協会が認定する「HACCP普及指導員」※1 です。民間資格はかなり数が多くあり、その一つとして一般社団法人日本HACCPトレーニングセンターの認定する「JHTC認定HACCPコーディネーター」※2 という資格があります。これから自社に初めて HACCP導入するにあたり、まず何をしたらよいのかをビデオ学習と合わせてワークショップ研修を通じて実践的に理解できるようになっています。さらに定期的なフォローアップ研修もあり、食品業界、または異業種との横のつながりもできるメリットもあります。ただ、ここで一つ必ず申し上げておきたいことは HACCP法制化にあたり、資格が必須ということは厚労省も一切提言してませんので、その点は注意してください。

※1HACCP普及指導員
http://www.n-shokuei.jp/eisei/haccp_c.html

※2JHTC認定HACCPコーディネーター
http://www.jhtc-haccp.org/member/coordi.html

HACCPの認証・認定について

器具や機器に対して「HACCP対応」だとか「HACCP認証」というものを、よく見かけます。HACCPは、あくまでも工場全体の衛生管理手法の1つが HACCP というだけですので本来器具や機器に対して、対応や認証というものは公式には存在しません。工場全体の認証制度で公的なものも一部はありました。厚生労働省総合衛生管理製造過程承認制度(マル総)と自治体HACCP がそれにあたります。

ただし、今回の法改正で総合衛生管理製造過程の制度は廃止されました。各自治体が独自に実施している自治体HACCP については厚生労働省から発表されている Q&A で「実施自治体によって内容や要求水準が異なっているため一概に『HACCPに基づく衛生管理』の要件を満たしているとは言えません。地域振興等の目的で実施されているものもあるため、今後これらの認証制度をどのように運用するかは各自治体の判断に委ねられます。」※3 と回答しています。つまり、今回の法改正で都道府県により廃止するところ、継続するところと分かれます。東京都に関して言えば「東京都食品衛生自主管理認証制度」は、 HACCP法制化にともない2021年5月末をもって廃止されます。これは飲食店を主に認証していた制度でこの法改正で公益社団法人日本食品衛生協会、一般社団法人フードサービス協会から飲食店向けの手引書が発行されていることから事業者の混乱を避けるため、廃止に至りました。各自治体HACCP認証については、事業所を所管する保健所へ問い合わせて最新情報を確認することをお勧めします。もし事業所を所管する自治体が自治体HACCP認証制度を継続し、それが Codexガイドラインに沿ったものでしたらコストパフォーマンスの面でも、信用性の面でも認証を取得することも一つの選択肢として検討する価値はあります。

ただ、ここで一つ注意点を申し上げておきます。今回の法制化により認証や認定は必須ではないと厚生労働省も明確に言っていますので必ず取得しなければいけないものではありません。

※3出展:厚生労働省「HACCPに沿った衛生管理の制度化に関するQ&A」
https://www.mhlw.go.jp/content/11130500/000635886.pdf

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HACCP の認証・認定とは?

先ほどは公的な HACCP認証・認定について述べましたが、この HACCP法制化以前より民間事業者が独自の基準で HACCP の衛生管理が出来ていることを認定する資格も多数存在します。ただ HACCP については良い意味でも悪い意味でも柔軟性が高く、その民間資格が Codexのガイドラインに沿っているものかどうかを精査する必要があります。

今後、輸出をする上でその民間資格のみで HACCP に沿った衛生管理を行っていることを定義づけるのは困難と考えます。法的には HACCP に沿った衛生管理で製造されたものを輸出はできますが、海外との取引条件となるかは、また別で GFSI(世界食品安全イニシアティブ)※4 が認証した食品安全管理規格が最低条件であり日本国内で取得できるものは、例として FSSC22000、JFS-C規格が上げられます。そこで国が改正食品衛生法と整合させるとはっきり言っている民間資格は一般財団法人食品安全マネジメント協会(JFSM)※5 が認証するJFS規格です。FSSC22000 や GFSI の認証規格ではありませんが ISO22000 などのようにいきなりレベルの高いところへジャンプするものだと、初めて導入しようとする事業者にはかなりハードルの高いものになりモチベーションが継続しない原因にもなります。それに対し、JFS規格は日本発の国際規格であり、レベルに合わせて GFSI認証規格の C規格から HACCP に基づく衛生管理に準ずる B規格、HACCPの考えを取り入れた衛生管理に準ずる A規格とあり、レベルに応じて順々にステップアップすることができ、今現状どこまで出来ているのか見える化して達成感を得ることも可能です。さらに飲食店や調理施設向けに G規格も創設されました。

食品衛生法とJFSとの整合性
食品衛生法とJFSとの整合性※6

※4GFSI(世界食品安全イニシアティブ)
https://mygfsi.com/

※5一般財団法人食品安全マネジメント協会
https://www.jfsm.or.jp/

※6引用: foodex japan 2020 JFSMセミナー 食品産業の海外展開戦略(農林水産省)
https://www.jfsm.or.jp/9b7bc388ee53105458071ffa9b330007d062ff45.pdf

HACCP の認証や認定資格のメリット

HACCP の認証や認定資格を得るメリットは大きく分けて3つあります。

1つ目は民間の認証や認定資格であっても HACCP に基づいた衛生管理、HACCP の考えを取り入れた衛生管理の要件を満たしていれば保健所による立入検査等の際に、民間認証の取得に必要な書類や記録、審査や監査の結果等を活用して、監視指導を行うなど事業者負担の軽減が図られます。

2つ目は今まで取引先ごとに監査書類をそろえ、複数実地監査が入って業務が膨大になっていたところもあると思いますが客観的認証があることで一元化され、業務が煩雑化していたものがシンプルになることです。

3つ目は客観的に認証された自社の衛生管理が示されていることにより消費者への理解が深まり、販売促進へつながる可能性もあるという点です。

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第3回では、HACCP の必要性・目的と管理者や認証・認定について解説しました。次回は、HACCP の対象企業と何をするのか?対策・対応方法についてご紹介します。

第4回:HACCP の対象企業と何をするのか?対策・対応方法

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