東芝情報システム株式会社

LSIのディスコン・EOL対応の方法
FPGAで回路設計・開発しない方法とは

近年、半導体ベンダーの事情により、ASIC、またはカスタムLSI の製造が EOL(End Of Life : 製造終了)になることが増えています。使用している LSI が EOL になった場合、どう対応すればよいのでしょうか。
対策として考えられるのは、以下の三つです。

  • FPGA を使って対応
  • 汎用品を利用して基板自体の作り直し
  • 同じ半導体ベンダーの新プロセスで再ASIC化
ディスコンLSI

しかし、これらの方法には、「設計者がいない」「費用や手間がかかる」など、さまざまな問題があります。

そこで、新しいEOL対策として注目されているのが、当社が提供する「ディスコンLSI再生®サービス」です。本コラムでは、「ディスコンLSI再生サービス」が求められるようになってきた背景や特長・利用のメリットなどをご紹介します。

LSI の EOL が増加している理由

EOL とは、End Of Life の略語であり、「製造終了」のことです。半導体業界においては、LSI の製造が中止(終了)されることを意味します。ディスコン(Discontinue)と呼ばれることもあります。

近年 EOL が増えている背景には、

  • 半導体ベンダーが、ファブライト(Fab Lite : 日本国内での製造をやめて、海外専業ベンダーに製造を外注すること)するようになった

  • 半導体ベンダーが、ビジネスモデルの転換(利益率の高い製品に集中)によって、古い製品を製造しなくなった

  • 半導体業界の再編により、工場が統廃合されたり、売却されたりしてしまった

  • 半導体ベンダーが、作りためていた製品が枯渇したあとで、再度の量産を行わないという判断をした

などの事情があります。

LSI が EOL になった場合の、従来の対策方法と問題点

使用している LSI が EOL になった場合の従来の対策方法は、以下の三つです。

1) FPGA化する

FPGA(Field-Programmable Gate Array)とは、製造後に購入者や設計者が構成を設定できる集積回路のことです。

FPGA化には、以下のような問題があります。

  • 5V対応の FPGA があまりないため、レベルシフタ追加や他電源の新たな供給追加が必要になる

  • ピンアサイン、ピンピッチが変わってしまうと、基板を作り直さなくてはならない

  • 設計者がいない、足りない

など

2) 汎用品を利用して、基板自体を作り直す

汎用品を利用して基板自体を作り直す方法には、以下のような問題があります。

  • 再度設計~検証が必要になり、多大な費用と手間がかかる

  • 設計者がいない、足りない

など

3) 同じ半導体ベンダーの、新しいプロセスで再ASIC化する

同じ半導体ベンダーによる再ASIC化には、以下のような問題があります。

  • そもそも製造数量が少なくなったことが原因で EOL になっているので、再生産に対応してもらえない

  • 新しいプロセスに移行することによって、開発費が高くなったり、ロット単価が高くなったりする場合がある

  • 設計者がいない、足りない

など

上記のように三通りの EOL対策がありますが、どの方法でも対応できない場合、最終的には製品供給や保守を中止せざるを得なくなる可能性があります。製品供給や保守を中止すると、お客さまからの信頼や将来のビジネスチャンスを失ってしまうことになりかねません。

LSI の EOL に対応する新しい方法「ディスコンLSI再生サービス」とは

従来の EOL対策に代わる新しい方法として、当社では「ディスコンLSI再生サービス」をご用意しています。

「ディスコンLSI再生サービス」とは、半導体ベンダーが製造終了したカスタムLSI、ASIC を安定供給できるように作り直して供給するサービスです。作り直す過程で、付加価値をつけることもできます。

別会社のプロセスで作り直すことになりますが、可能な限り同じピンアサイン、ピンピッチで供給いたしますので、基板変更は必要ありません。

「ディスコンLSI再生サービス」三つの特長

「ディスコンLSI再生サービス」の主な特長は、以下の三つです。

1) 回路(設計)データが残っていなくても再生可能

「ディスコンLSI再生サービス」では、回路(設計)データが残っている場合には、そのデータを新しいプロセスに変換してLSIを再生いたします。

しかし、多くの企業では、

  • 回路(設計)データが残っていない
  • 手元の回路(設計)データが最新かどうかわからない
  • 回路(設計)データのことがわかる設計者が、既に異動、もしくは退職している

というのが実情ではないでしょうか。

そこで、当社は、回路(設計)データが残っていないお客さまにも「ディスコンLSI再生サービス」を利用していただけるように、「LSI解析サービス」もご用意しています。現品のLSIを分解し、特殊なソフトウェアで回路図を抽出することで、回路を再現いたします。

LSI解析サービス

2) 確実な再生ができる

当社の強みは、再現した回路に関して確実な検証ができることです。

  • シミュレーションによる設計データの確認
  • FPGAボードの活用による、旧LSIとの比較
  • LSI再生前に、実機での機能確認

これらの検証作業により、これまでデジタル・アナログとも、100%再生に成功したという実績を持っています。

3) お客さまは、結果の確認のみでOK

当社は、以下のような、LSI再生に関わるすべての設計・検証作業をご提供いたします。

  • 設計データの作成、検証
  • データの妥当性確認
  • 上記を実現するための環境の用意

お客さまは、新たに開発人員をご用意する必要はありません。結果の確認のみで、LSIの再生を行うことができます。

「ディスコンLSI再生サービス」を利用することによる二大メリット

「ディスコンLSI再生サービス」を利用することによって得られるメリットは、主に以下の二つです。

1) 開発工数の削減

「ディスコンLSI再生サービス」を利用した場合と、FPGA化する場合、基板自体を作り直す場合の開発工数を比較してみました。

開発工数削減

「ディスコンLSI再生サービス」を利用した場合、ES(エンジニアリングサンプル)の動作確認と実機の動作確認だけで済むため、お客さまの開発工数を大きく削減することができます。

2) 開発コストの削減

LSI開発の二大コストであるマスク代とロット単価が、古いLSIを開発した当時の価格よりもかなり下落していることが期待できます。つまり、同じプロセスまたは若干細かいプロセスで作り直しても、単価が下がるため、開発費を早期に回収することが可能になるのです。

開発費回収事例

0.7μmのゲートアレイだった旧製品を別ベンダーの0.5μmのゲートアレイで作り直したところ、購入単価に50円の差額が発生しました。年間1200万円のコストメリットが生まれ、開発費は約13カ月で回収完了しました。

開発費回収事例

「ディスコンLSI再生サービス」の利用をおすすめしたいお客さま

当社では、以下のような事情をお持ちのお客さまに、「ディスコンLSI再生サービス」をおすすめします。

1) EOL を通知される前のお客さま

  • 量産期間が長くなってきたので、いつ EOL になるか不安
  • 量産数量が少なくなってきたので、いつ EOL になるか不安
  • 使っているプロセスが古くなっており、他のベンダーも製造中止しているのでいつ EOL になるか不安
  • 設計データが整備されておらず、EOL になったときのことを考えると不安
  • 設計者が異動や退職などでいなくなっているので、EOL になったときのことを考えると不安

2) EOL を通知されたあと、ラストバイ(最終購入)前のお客さま

  • 半導体ベンダーから EOL の通知を受けている
  • ラストバイの数量が読み切れない
  • キャッシュフロー・保証期間などの問題で、ラストバイによって大量の在庫は持ちたくない

3) ラストバイ後のお客さま

  • ラストバイしたが、在庫数量が足りなくなった
  • 在庫数量が不安で、多品種に展開できない

上記のような状況に当てはまる場合には、ぜひ「ディスコンLSI再生サービス」の利用をご検討ください。

まとめ

近年、半導体ベンダーの事情により、ASIC、またはカスタムLSI の製造が EOLになることが増えています。使用している LSI が EOL になった場合、「FPGA化する」「汎用品を利用する」「再ASIC化する」などの方法で対応する必要がありました。しかし、これらの方法では、「基板の作り直しが必要」「設計者がいない」などの問題があり、再生が難しいのではないでしょうか?

これらの問題を解決するため、当社では、「ディスコンLSI再生サービス」をご提供しています。
ご紹介した「ディスコンLSI再生サービス」は、従来のようにFPGAや汎用品を使うことで基板変更が必要になったり、大量の在庫(ラストバイした旧LSI)を抱えることなくEOL(ディスコン)対策が行えるサービスです。「EOL の通知を受けた」「将来的な EOL が不安」というお客さまは、「ディスコンLSI再生サービス」のご利用を検討してみてはいかがでしょうか。

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