EOL対応に最善の選択を!「ディスコンLSI再生®サービス」
製造終了(EOL/ディスコン)のLSIを再生・延命
ディスコンLSI再生サービスは、お客様が過去に開発し、EOLとなった(もしくはEOLの予告をメーカーより受けた)LSI(大規模集積回路)を新しいプロセスで作り替えることにより、再生・延命することができるサービスです。最新の設計データがない場合でも、LSI解析サービスのご利用により、旧LSIの再生・延命が可能です。
※本サービスのご利用は、お客様が当該LSI の開発権利をお持ちであることが前提となります。
EOLとは?
EOL(End of Life)は、IT業界や製造業などでよく使われる用語で、製品やソフトウェアの製造・サポートが終了することを表します。
ディスコンとは?
ディスコンもやはりIT業界や製造業などでよく使われる用語で、Discontinueの略として用いられます。ディスコンも主に、製品や部品などが製造終了になることを指します。
「ディスコンLSI再生サービス」紹介動画
EOL(ディスコン)対応に関するよくあるお悩みの例
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突然のEOL(製造終了)通知に どう対応する・・・?
過去に開発したLSIを製造しているベンダーから、生産数量が減少したためEOL (製造終了)にしたいと連絡が来た。今後、当社の製品が製造(販売)できなくなってしまう!
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過去にラストバイしたが、足りなくなってしまった!
過去にLSIのEOL通告を受けラストバイ(最後のまとめ買い)をしたが、思いのほか自社製品が売れて在庫が足りなくなってしまいそう!
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FPGAを使った再生を考えたが、ソフトや基板を変えないとダメ!?
EOLの通告でFPGA(※1)を使った再生を考えたが、ソフトウェアや基板の変更はシステム全体の再評価が必要となり、コストが膨大になる!
(※1)FPGA:Field Programmable Gate Arrayの略で、ユーザーが自由に回路の構成をプログラムできる集積回路のこと
EOL(ディスコン)されるLSIを再生産するサービス
国内外のファウンドリを利用し、新しいプロセスで試作、供給を継続
台湾のTSMC社をはじめ、国内外数社のファウンドリ(Fab)(※2)を利用可能です。EOLを通告されたLSIを、新しいプロセスで再生することができます。設計データがそろっていればすぐに、データが完全にそろっていなくてもLSI解析サービスを利用し、数週間後には再生への開発をスタートすることが可能となります。
また、従来の回路基板にそのまま新しいLSIを実装できるよう、パッケージのサイズ、高さ、ピン配置等はできる限りオリジナルパッケージに近いものを選択します。
(※2)ファウンドリ(Fab):半導体業界でいうファウンドリ(foundry)とは、半導体の受託製造を専門とする企業のこと。Fab(Fabrication Plant)も同様に、半導体を製造する施設(製造工場)を指す。
生産数量が少なくても、1回だけの発注でも再生産可能
本サービスは少量生産に対応可能です。1回だけの生産でも100個程度から対応できます。少量生産の事例は、ディスコンLSI再生事例をご覧ください。
旧製品のデータがそろっていなくても再生可能
旧製品のLSIに関するデータ(回路データやテストデータ)が残っていなくても、LSI解析サービスのご利用により回路データの復元が可能です(旧製品のLSIを数個ご提供いただく必要があります)。
お客様に開発リソースがなくても再生可能
再開発に必要な開発リソース(技術者)が貴社にない場合でも、LSIの再生は可能です。お客様にご担当いただくのは、結果の確認のみです。
あえてデザインルールを変えないことによりコストダウンが可能
旧製品開発時の開発費(マスク代、ロット単価)は、現在では大幅に下落していることがほとんどです。 旧製品のデザインルールを変更せずに新製品に移行すれば、開発費の下落によるコストダウンが期待できます。また、再生に関わる開発費も短期間で回収できる可能性があります。詳細はディスコンLSI再生事例をご覧ください。
電源5Vのプロセスを利用可能。アナログマスターの再生も可能
5V単一ASIC、3.3V単一ASICへの対応が可能です。またデジタルだけでなく、アナログ、ミックスドシグナル、アナログマスターも再生可能です。
【コラム】EOL対応の新手法「ディスコンLSI再生サービス」の特長やメリットをご紹介
近年、半導体ベンダーの事情により、ASIC、またはカスタムLSI の製造が EOLになることが増えています。使用している LSI が EOL になった場合、どう対応すればよいのでしょうか。対策として考えられるのは、以下の三つです。
- FPGA を使って対応
- 汎用品を利用して基板自体の作り直し
- 同じ半導体ベンダーの新プロセスで再ASIC化
しかし、これらの方法には、「設計者がいない」、「費用や手間がかかる」など、さまざまな問題があります。
そこでEOL対策として注目されているのが、当社が提供する「ディスコンLSI再生サービス」です。本コラムでは、「ディスコンLSI再生サービス」が求められるようになってきた背景や特長・利用のメリットなどをご紹介します 。
【コラム】LSIのディスコン・EOL対応の方法 FPGAで回路設計・開発しない方法とは 詳しくはこちら
「ディスコンLSI再生サービス」を利用したお客様の声
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(FA向け機器メーカー A社様)
息の長いFA向け製品のサポートを継続することができました!また、ICベンダーとのやり取りもすべて任せることができて大変助かりました。
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(アミューズメント機器メーカー B社様)
旧製品より価格が下がったので、利益率が上がりました!
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(信号機器メーカー D社様)
開発リソースがないと悩んでいましたが、すべてお任せで開発(再生)できました!
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(OA機器メーカー C社様)
ラストバイしたLSIが足りなくなって困っていましたが、ほぼ同じLSIを再生することができ、自社製品の供給を続けることができました!
「ディスコンLSI再生サービスの現在地」をご紹介
製造終了となったLSIの再開発を通じ、ものづくりの現場を支え続けてきた「ディスコンLSI再生サービス」。サービス開始から15年が経った現在も、特に産業機器を扱う企業を中心に根強いニーズがあります。
一般的に、各LSIベンダーの製造ラインは微細化が進む過程で、古いプロセスから順に廃止されていきます。古くなったプロセスでは製造量やユーザー数が減少してしまうため、需要が減少したベンダーは製造ラインの縮小を余儀なくされるのです。このようなベンダー側の事情により、「近年、EOL品(製造終了品)が増えて困っている」といったお客様の声が寄せられ、「ディスコンLSI再生サービス」が誕生しました。本サービスは、製造終了となったLSIを再開発し、量産を継続可能にするサービスです。具体的には、お客様が過去に開発したLSIを別の新しい製造プロセスで再構築することにより、LSIの再生・延命を実現します。
設計データが一部しか残っていない、設計者が退職している、LSIの現物しか残っていないなど、厳しい条件下でも当社独自の解析技術を駆使してLSIの再生を実現しています。
本コラムでは、入社5年目で同サービスの現場を担う菅野 涼香が、「ディスコンLSI再生サービス」の事業内容や当社ならではの強み、そして今後の展望について説明しています。
【Digital Wave】サービス開始から15年!「ディスコンLSI再生サービス」の現在地と、今後の展望 詳しくはこちら
EOL(ディスコン)されたLSIの再生事例をご紹介
※以下に記載の再生事例は、すべて当社が過去に実施した事例となります。昨今の為替変動や再開発に関わる人件費、材料費の高騰など、状況は常に変化しています。LSIの再生をご検討の際は、最新の見積もりについて当社営業担当までお問い合わせください。
新しいLSIの開発費は数年で回収可能
ほとんどの再生事例では、新旧製品の価格差により開発費は数年で償却でき、トータルコストは下がる傾向です。
たとえばこの事例では、0.8μm GAから0.5μm
GAへの移行により、単価差額40円で年間480万円のVA効果を達成し、開発費800万円は20カ月で償却される計算となります。
再生事例1(保守部品として2,700個一括製造)
国内半導体メーカーが0.7μmプロセスで製造していたゲートアレイを、TSMCの0.5μmプロセスで再生した事例です。お客様がお持ちのネットリストが最終データかどうか不明だったため、EOL対応としてLSI解析サービスを利用し、回路の確認を行いました。本製品は保守部品として2,700個を一括製造、信頼性試験を実施後、お客様に全数納品しています。
再生事例2(2品種 各300個を一括製造)
国内半導体メーカーが製造していたゲートアレイ2品種を、0.5μmプロセスで再生した事例です。EOL対応としてLSIの現品からLSI解析サービスを使って回路を抽出、FPGAの検証を経て再生しました。当社は FPGA設計/検証サービスもご提供しています。FPGAによる実機検証などが必要な場合、このサービスを使って機能を確認しながら、安全にLSIを再生させることができます。また本事例では2品種のゲートアレイを各々300個再生しています。このような少ない数でも、ディスコンLSI再生サービスはご利用いただけます。
再生事例3(現在も製品供給を継続中)
国内半導体メーカーが0.8μmプロセスで製造していたゲートアレイを、TSMCの0.5μmプロセスで再生した事例です。お客様がお持ちであったネットリストから再生を行っています。LSIの解析が必要なかったので開発スタートから約4カ月で製品の継続供給を開始、現在も年間20万個以上製品供給を続けています。
「ディスコンLSI再生サービス」よくある質問
元のシステムと互換性のあるLSIを確実に再生できるのでしょうか?
私たちは、デジタル、アナログ、ミックスドシグナルの再生に豊富な実績を持っています。高い互換性を維持したまま再生できた例が多くありますので、ぜひ当社にお任せください。
EOL対応で困っています。昔の製品なので設計データはもちろん、テストデータなども不足していますが、再生できますか?
過去の設計データがそろっていなくても、現物のLSIがあれば回路データの復元が可能です。またテストデータも独自のノウハウで再作成します。
開発・量産できるLSIの最小個数はいくつですか?
100個程度から承ります。試作品だけでも開発可能です。
車載に使うLSIの再生は可能ですか?
当社のディスコンLSI再生サービスでは、「民生用途」および「産業機器用途」の開発のみ承ります。
システム全体の再検証は莫大なコストがかかるので、基板や搭載されている部品は極力変更したくないのですが、問題ありませんか?
再生にあたってはできる限り旧製品と同等のパッケージを選択しますので、ピンアサインは変わりません。基板や部品の変更も、ほとんどの場合必要ありません。
汎用品のLSIがEOLになってしまい困っているのですが......
大変申し訳ございません。本サービスは、お客様が権利をお持ちのASICやカスタムLSIの再生を対象としております。他社様が権利をお持ちのLSIは、再生できません。