1台のカメラで距離計測を実現する
ソフトウェアライブラリ「CVNucleus MonocularVision」の販売を開始
2022年03月01日
東芝情報システム株式会社
1台のカメラで距離計測を実現する
ソフトウェアライブラリ「CVNucleus MonocularVision」の販売を開始
― ディープニューラルネットワーク(DNN)の活用と高速化技術により
市販のカメラ1台の構成で、高精度な距離計測を実現 ―
- レンズにより生じる画像の「ぼけ」と距離の相関をDNNで学習して距離を計測
- DNNの高速化により、リソースに制限のある組込みシステムでも動作
- ステレオカメラ方式や、距離センサを使用した方式と比較して省スペース、省コスト
東芝情報システム株式会社(本社:神奈川県 川崎市、取締役社長:渡邉 一正、以下 東芝情報システム)は、1台のカメラで距離計測を実現するソフトウェアライブラリ「CVNucleus MonocularVision」の販売を、2022年3月1日より開始します。
近年、ロボットによるピッキング、ドローンによるインフラ点検、無人搬送車の自律走行、カメラを使用した製品検査など、さまざまな分野で画像認識を活用した製品が市場に投入されています。これらの製品では、カメラの画像を2次元的に認識するだけでなく、被写体までの距離や大きさなどを加味した、立体としての認識が求められています。このようなニーズに対して、ステレオカメラや、カメラと距離センサを組み合わせた方式が存在しますが、製品の小型化が困難、部品コストの増加といった課題があります。
「CVNucleus MonocularVision」は、市販のカメラ1台で高精度な距離計測を実現するソフトウェアライブラリです。本ライブラリの特長は以下のとおりです。
- レンズにより生じる画像の「ぼけ」と距離の相関をDNNで学習して距離を計測
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本ライブラリは、レンズにより生じる被写体画像の「ぼけ」と被写体までの距離に相関があるという原理を利用しており、距離による画像の「ぼけ」の形状変化をDNNで学習して、画像中の任意の被写体までの距離を推定します。特殊なカメラやレンズを必要とせず、市販のものをそのまま使うことができます。計測誤差は、被写体までの距離:3mで±1.3cm*1、被写体までの距離:10mで±20.7cm*2と、高い精度を実現しています。
- DNNの高速化によりリソースに制限のある組込みシステムでも動作
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これまで、1台のカメラで距離計測を行うためには、高性能PCやクラウドによる分散処理が必要でした。本ライブラリは、精度を維持してDNNを高速化する、東芝情報システムの「DNN高速化サービス」を適用しており、処理全体の高速化を行っています。クラウドを必要とせず、リソースに制限のある組込みシステムにおいても、十分な処理性能(1フレーム毎113ms*3)と精度を実現しています。
- ステレオカメラ方式や、距離センサを組み合わせた方式と比較して省スペース、省コスト
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本ライブラリは、市販のカメラ1台の構成で、ソフトウェアによる距離計測を実現しています。立体としての認識機能を備えた製品を想定した場合、ステレオカメラ方式に比べて、カメラ1台分の設置スペースと部品コストを削減できます。また、距離センサとカメラを組み合わせた方式と比較しても、同様に、距離センサの設置スペースと部品コストを削減できます。
本ソフトウェアライブラリは、リアルタイムの立体認識を必要とするピッキングロボットやドローンの視覚、自律走行する無人搬送車の周辺認識、3次元の製品検査などのアプリケーションでの活用を想定しています。東芝情報システムは、これらの製品開発に携わるお客様に本ライブラリを提供することで、製品の小型化と部品コストの削減に寄与し、お客様の事業発展に貢献していきます。
*1解像度12Mpx/センササイズ7.44 x 5.16mm/焦点距離50mm/F2.6のカメラ、レンズを使用
*2解像度36Mpx/センササイズ35.9 x 24.0mm/焦点距離50mm/F4.0のカメラ、レンズを使用
*3NVIDIA社製Jetson AGX Xavierを使用、Full HDの解像度で処理
本ソフトウェアライブラリは、株式会社東芝 研究開発センターが開発した立体認識AI技術を活用しています。
- 「CVNucleus MonocularVision」の概要
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- 「CVNucleus MonocularVision」のリファレンス環境
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リファレンス環境 カメラ The Imaging Source社製DFK33UX226 - センササイズ:7.44 x 5.16mm
- 解像度:12Mpx(4000 x 3000px)
レンズ VS Technology社製VS-5026VM - 焦点距離:50mm
- F値:2.6
- 水平画角:8.51°
- 垂直画角:6.43°
ボード NVIDIA社製Jetson AGX Xavier - メモリ:32GB
- ストレージ:32GB
- USB3.1(Camera / keyboard / Mouse)
- HDMI (Monitor)
OS Linux(Ubuntu Ver.18.04) 必要ライブラリ PyTorch(LibTorch)1.8.0
OpenCV 4.5.3 - 「CVNucleus MonocularVision」の販売形態
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販売形態 評価ライセンス 評価目的で3ヶ月間の利用を許諾するライセンス 開発ライセンス お客様の製品に組込み、開発する権利を許諾するライセンス 製品ロイヤリティ お客様の製品に組込み、販売する権利を許諾するライセンス 学習モデル作成サービス お客様のレンズに合わせたモデルを作成する作業 ポーティングサービス お客様のプラットフォームに合わせるポーティング作業 エンジニアリングサービス お客様のさまざまな要件に対応するカスタマイズ作業 サポートサービス お問い合わせの対応や、バージョンアップ版の提供
お客様の製品サポート期間に合わせて対応することが可能 - 東芝研究開発センターについて
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将来の成長エンジンの礎となる技術を創造し、東芝グループを支える強い技術を継続的に深耕・発展させることをミッションとしています。
- 東芝情報システム株式会社について
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東芝グループの一員として、組込みソフトウェア開発とLSI設計の分野で、お客様のニーズに最適なソリューションを提供しています。
- 東芝情報システム株式会社のエンベデッドシステムソリューション事業について
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組込みソフトウェア分野において長年培ってきた豊富な経験と実績をベースに、アプリケーション領域からプラットフォーム領域までの幅広い開発と、多彩なIP商品やサービスを提供し、お客様の製品開発をトータルにサポートします。
- 関連サイト
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「CVNucleus MonocularVision」の紹介ページ
https://www.tjsys.co.jp/embedded/monocular-vision/
「DNN高速化サービス」の紹介ページ
- 報道関係からのお問い合わせ先
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東芝情報システム株式会社 営業統括部 マーケティング担当
電話番号:080-9466-7524
- お客様からのお問い合わせ先
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東芝情報システム株式会社 エンベデッドソリューション事業部 営業第一部
電話番号:044-246-8320
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