東芝情報システム株式会社

車の安全性と未来のモビリティ化に挑む中部支社のチーム力

大手車載機器メーカーとの取引で組込み技術を提供する中部支社は、人数的には小規模ながら技術力とチーム力でお客様の要望にしっかりと応える少数精鋭の組織です。自動車に求められる従来の基本性能はもちろん、EV化が進む中で自動車に不可欠となる新しい機能とも向き合い、知見を重ねてお客様のニーズに対応しています。
中部支社
川本 洋史

中部支社
川本 洋史

中部支社の成り立ちについて教えてください

 中部支社は、以前から名古屋地区の重工業系のお客様をはじめ、防衛関係、工作機械メーカー、電機メーカー、金融機関などの仕事が中心でした。比較的小規模の案件が多かったのですが、1995年頃から車載系の仕事を受注するようになりました。1990年頃に自動車のナビゲーションGPSが世の中に登場して以降、メーカー各社が純正のナビゲーションシステム(以下カーナビ)の開発を進め、その流れで当社も1995年以降は中部地区の大手車載機器メーカーからカーナビの開発を行うようになりました。また、カーナビのような情報系のほかに、自動車の駆動部分に関するパワートレインの開発も行っています。
 当社の中部支社はもともと名古屋市内にありました。車載関連の業務を始めた頃は、組込み技術という性格上、お客様に常駐して作業を行うのが当たり前でした。そのような仕事のスタイルが続いていくうちに、カーナビにしても、パワートレインにしても仕事量の拡大に伴い、人員も増加しました。お客様の事業所内のスペースも限られていたため、2002年に旧中部支社の分室として、刈谷市内に刈谷分室を構えることになりました。これが現在の中部支社です。
 刈谷分室へは、大手車載機器メーカーに関わったメンバーがそのまま移ることになりました。組込み技術という意味では、車載技術以前に工作機械メーカーの生産ラインの制御系、SI系、医療や防衛分野の仕事もありました。これらは中部支社として行っていた仕事ですが、組込みに携わっていたメンバーの多くは車載関連に集約されていきました。

車載技術の進化と中部支社について教えてください

 今、車載技術で注目されているのは「電動化・自動運転・つながる化」の3つです。その観点で中部支社の業務にフォーカスすると、中部支社が取り組んできた20年以上にわたる車載技術開発の歴史は、自動車の「走る・曲がる・止まる」という基本性能の向上を目指してきた歴史と言って良いでしょう。さらに、環境問題がクローズアップされてくると、排ガス問題やCO2を減らすために、ますます高度な制御技術が要求され、ソフトウェアによる最適化に取り組んできました。つまり、当社は従来から車の機能として標準的に備わっているものを高度化し、量産化していくことに注力してきました。
 しかし、社会における自動車の位置付けや自動車そのものの在り方が大きく変化してきました。「エンジンからモーターへ」が叫ばれるようになり、電動化への技術シフトがますます進むとともに、将来、電気自動車オンリーになっていくとすれば、自動車の機能の延長線上に「つながる化」が不可欠になり、さまざまなサービスを巻き込んだ技術が必要になります。そのような流れを捉えつつ、中部支社の使命は、世の中の人たちが安心して自動車を使える品質に仕上げることであり、これまで築いてきたお客様との強固な信頼関係のもとで仕事をしていくことは変わりないと考えます。その上で、パワートレイン分野では変化への対応は必要になりますが、基本は人が安心して乗車できるモビリティを提供していくことが中部支社の重要な役割だと考えています。(図-1)
 人が安心して利用できるモビリティの追求は、4輪自動車だけのことではありません。2輪のバイクについても同様のことが言えます。バイクのEV化は、自動車ほどクローズアップされていませんが、内燃機関と言われるエンジンの代わりにEV化が一般化したとしても、安全性能は変わらずに追求していかなければならないテーマです。
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新しいモビリティ化の動きを先取りし、中部支社はどのような対応を行っていますか

 中部支社の誇れるところは、協力会社様も含め、チーム一丸となった協働体制です。EV化が進んでいるとはいえ、エンジンが一気に無くなるわけではないので、バランスを取りながら自動車業界の動きに合わせ、エンジン系のスキルを持った人材をEV系に移行させていき、若い人材も交えたチーム編成を行っています。
 また、EV化が進むと、世界の統一規格に合わせる開発がさらに求められるため、ハードウェアもグローバル対応させることが重要になります。そのため、AUTOSARなどの規格や、プロジェクトマネジメントの部分でAutomotive SPICEなどのフレームワークを取り入れることが必要になります。さらに、サイバーセキュリティの強化など、車に求められる要素は安全性能以外にも多岐にわたるため、さまざまな研修などを通じてベースとなる知見を蓄積していくことが重要です。特に若い技術者に対しては、そうした機会を増やしていこうと思っています。
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中部支社のPR、今後の展望をお願いします

 「自動車」には人それぞれさまざまな思いがあると思います。私も「クルマ好き」の一人ですが、街を走っている自動車を見る時に「これは私たちの技術が搭載されたクルマである」と思うと、どこかワクワクするものです。開発メンバーの中にも自分の子どもに何気なく自慢する人も少なくないようで、自分たちが作ったものが生活に溶け込んでいる、つまり自動車はそれだけ身近な存在だということです。さらに、自分が関わった自動車の評判が良く、人気の車種として注目を浴びればなおさらでしょう。
これは2輪についても同じです。インジェクション搭載のバイクは、ECU (Engine Control Unit)でエンジンの各機構がコントロールされており、バイクのパワーを正常に引き出すためにECUの最適な制御プログラムをつくりますが、街でこの機能が搭載されたバイクを見かけると、達成感を感じる技術者もいるようです。
 また、お客様から求められる知識も、新しい要素が次々と加わってきます。従来までは内燃機関に関わる知識が中心でしたが、自動車が電動化の方向に進んでいるため、「モーター、インバータ、バッテリー」など電動制御の知識を更に習得していかなければなりません。加えて、コードを書いたり、ソフトウェア制御のプログラミングを行ったりする上では、従来までの基本に応用部分を上乗せし、いかに効率よく、しかも間違いなくプロジェクトを進めるかのマネジメント力も求められます。今後、自動車の「CONNECTED:つながる化」が進めばセキュリティの強化が求められるのは必須ですが、そうした知識を身に付けつつ、お客様と歩調を合わせて品質の向上や業務効率化を追求していきます。自動車業界の大変革の中、5年先、10年先もお客様にTJを信頼できる重要パートナーと認めて頂けるよう取り組んでまいります。

私たちがお伝えします、中部支社の魅力

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・中部支社 エンベデッドソリューション事業部 白鳥 正輝
 拠点としては決して大きくない中部支社ですが、見方を変えれば皆さん顔なじみでアットホームな職場です。さらに別の角度から見ると、チームワークの良さを存分に発揮し、支社一丸となってお客様の要望に応えるよう、方向性が明確になっている職場です。私は、とにかくクルマとバイクが好きで、車載関連の事業を行っている当社に惹かれました。最も身近な乗り物とも言って良い自動車の「現在と未来」に携わることができること、そして、入社初期から自分の意見をしっかりと述べることができる空気感、そこがこの拠点の魅力だと思います。
・中部支社 エンベデッドソリューション事業部 真鍋 啓輔
 仕事では多かれ少なかれ課題に直面することはありますが、相談しやすい環境なので業務が滞ることは少なく、チームワークを発揮しやすいと思います。実は白鳥君とは同期の入社で、仕事内容こそ違いますが、互いに切磋琢磨して仕事に打ち込めています。中部支社は人が少ないので、自然と同期のつながりが強くなり、私たちは、社内でも「仲良しランキングNo.1」と称されるほどです。「クルマ」の安全性能に一役買っている仕事を近くにいる親友とできることが幸せで、そうした関係性を作れたことも、この拠点の魅力の一つだと思っています。

※記事内における内容、組織名、役職などは2022年11月公開時のものです。
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