東芝情報システム株式会社

人が集まり、技術が育つ場所へ。東芝情報システム中部支社の新拠点

中部地区は、日本のモビリティ産業の中心地。東芝情報システムの中部支社は、車載ソフトウェア開発の要として、名古屋・刈谷で多くの技術を支えてきました。そして2025年、さらなる環境改善と組織の成長を見据え、名古屋・丸の内の「名古屋シミズ富国生命ビル」へと拠点を移転。技術の最前線に挑戦できて、誰もが気持ちよく働ける新しい職場環境が生まれました。
今回は中部支社長の伊藤さんに、オフィス移転の経緯や新オフィスの特徴、今後の展望について伺いました。
中部支社長
伊藤 尚武

中部支社長
伊藤 尚武

中部エリアの要として、新たな拠点が始動

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中部支社は拠点を移しながら事業を拡大し、技術力の強化と体制の充実を進めてきました。技術の進化とともに、働く人の環境をより良くしていくことにもこだわり、「より良い技術は、良い職場環境から生まれる」という想いを大切にしています。

ー中部支社の役割と強みを教えてください。

中部地区は車関係の仕事が多いため、中部支社は車載事業で会社を引っ張っていく役割を担っています。車載開発においては本社よりも長い歴史があり、技術力や、仲間との団結力が育まれてきました。

ー拠点を移転された経緯と、それぞれの土地の特徴を教えてください。

私が入社した時の中部支社は伏見にありました。その後は丸の内、名西、刈谷、そして2025年8月に丸の内と、何度か移転を繰り返しています。

名古屋市内は交通の便が良く働きやすい一方で、中部地区のお客様の多くは郊外に工場があるため、顧客訪問が不便な面がありました。刈谷の頃は、お客様が近くにあり、その他の利便性も高かったのですが、通勤面で不便な人もいたようです。

その後、通勤の問題や顧客訪問の問題は、コロナの影響でオンライン対応が増えたことで気にならなくなりました。
また、「中部支社の機能は名古屋市内にあった方が良い」という経営陣の声もあり、利便性の良さも含めて再び丸の内に引っ越すことになりました。もともと刈谷には3つの建屋があり、今回移転した支社以外の2つは「開発センター」として残しています。
ー中部支社は、なぜ働く環境に力を入れているのでしょうか?
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私たちはソフトウェア開発を生業としており、エンジニアとして技術力を個々に磨いていくことは当然必要です。一方で、開発は一人で完結するものではなく、チームで進めていく側面があります。どんな仕事でもほとんど一人でやることはなく、少人数のチームから、大きい場合は100人規模で取り組むこともあるので、必ずコミュニケーションが必要になります。

そして複数のメンバーが同じ場所で働く以上、環境を整え、作業環境を良くして生産性を高めることが重要です。働きやすさを向上させることは、非常に大切だと思っています。頑張れば実現できることなら、必ず取り組むべきだと思っていますし、できることはしっかり頑張ってやっていきたいと考えています。

開発力を支えるのは、人が集う環境

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移転の最大の目的は、「人が集まり、気持ちよく働ける環境を整えること」。従来は複数棟に分かれていたため、階や建屋の違いがコミュニケーションの壁になっていました。中部支社は今回の移転で、全員が同じフロアで顔を合わせながら働ける“理想の環境”が実現しています。

ーチームで働く環境を整える上で大切にされたことは何ですか?
コミュニケーションの取りやすさを意識しました。以前の環境では同じ建物内にいても部屋が区切られていたり、階が違ったりと、見渡しても誰がどこにいるのか分からず、ちょっとした用事がある時もチャットのやり取りが必要でした。

それに対し現在のオフィスはワンフロアで、多少の仕切りはあるものの、開発メンバーがほぼ同じエリアにいるので、見渡すだけで在席状況が分かります。チャットは便利ですが直接話した方が早いですし、文字だけのコミュニケーションだと伝わり方が変わってしまうこともあるので、ワンフロアになって良かったと思いますね。

ー移転準備で印象的だったエピソードはありますか?
オフィスに置くカラフルな椅子を、マレーシアから船便で運ぶ予定になっていました。ところが、さまざまな事情で「期日までに船に積めないと間に合わない」という状況になってしまい、最初は「この日で大丈夫です」と言われていたものの、直前になってその便がキャンセルになってしまったんです。

どうなるのかと私たちも不安でしたし、家具を手配してくれていた業者さんもすごく焦ってしまって。最終的には、船の位置情報まで確認しながら調整を進め、業者さんもいろいろ動いてくれたおかげでギリギリ間に合った、ということがありました(笑)

快適性と機能性を兼ね備えた、新しいオフィス

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中部支社の新拠点は、名古屋シミズ富国生命ビル。清水建設が手がけた高品質オフィスで、空調・照明・景観など、あらゆる面で快適さが追求されています。ワンフロアに280席、デバッグ環境を含めると約330席。部門を超えて協力しやすい職場づくりにより、業務効率化とコミュニケーションの両立を実現しています。

ー新しいオフィスの特徴を教えてください。
まず、空調が非常に細かく制御されています。よくあるオフィスの課題として、エアコンの吹き出し口付近の席は寒すぎたり暑すぎたり、男女で体感温度が違ったりといった問題がありますよね。前のオフィスでも「この席は寒い」「風が直接当たって嫌だ」といった声がよくありましたが、新オフィスではそうした問題が一切ありません。

また、照明についても特徴があります。今ここが明るいのは、人を検知して照明が自動で点灯しているためです。一部のエリアにしか人がいない場合、そのエリアだけが点灯します。トイレのように動かないと消えるセンサーではなく、画像センサーが人を認識して明かりを制御しているんです。

さらにブラインドも自動制御です。ガラス面がとても多いオフィスなので、日差しの眩しさが気になることがありますが、毎時0分ごとに光の加減を感知し、自動で最適な位置に調整してくれます。

ー新オフィスで特にお気に入りの場所はどこですか?
窓が多く、外の景色がよく見えるところが気に入っています。本社にも窓はあるのですが、実際にはブラインドを閉め切っていることが多く、ここまで外が見える環境ではありませんでした。このオフィスのように外が見えると、ストレス発散やリフレッシュにもとても良いと思います。

ーワンフロア化による効果はどんなところに現れていますか?
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ワンフロアになったことで、すぐに声をかけられたり、誰が席にいるか分かったりと、コミュニケーションが格段に取りやすくなりました。以前はパートナーさんと私たちプロパーは別フロアで、少し閉塞感もあったのですが、今は全員が同じフロアにいることで一体感が生まれ、生産性向上につながっていると思います。

今後は、移動式の椅子やホワイトボードを使って、チームで集まって議論する場面が増えるのが理想ですね。ビル内には休憩スペースも多いので、しっかりリフレッシュしながら働いてほしいと思っています。

ー移転によって感じた大きな変化はありますか?
私自身は通勤時間が大きく変わりました。移転前は1時間半ほどかかっていましたが、今は1時間以内で通えています。なかには移転によって通勤時間が長くなってしまった人もいるかもしれませんが、多くの人は以前より短縮されたのではと思います。

また、立地の面でも変化を感じています。これまでの刈谷は、例えば愛知県の東側からのアクセスは良く、豊橋や浜松方面からでも通いやすかった一方で、岐阜県や三重県からは通いづらい場所でした。今回の移転によって、元の建屋と新オフィスでうまく分散できたと思います。

同じ空間で働くからこそ生まれるチームの一体感

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移転後、フロアを見渡せば、誰がどこで何をしているかが自然と分かり、チームの距離がぐっと近づきました。中部支社では若手からベテランまで、働きやすさの変化を実感する声が上がっています。

ー「働きやすい」と感じる時はどんな時ですか?
周りに人がいる安心感がある時です。判断に迷った時や、困った時に、すぐ周囲に意見を求められる環境はとても心強いものです。

ーワンフロア化して他部署との関係性や連携に変化はありましたか?
営業部が同じオフィス・同じフロアにいるようになったことで、コミュニケーションが取りやすくなりました。以前の刈谷では建屋自体が別だったため、営業と会話する機会は限られていたんです。

営業部も最近人が増えていて、中途入社の方や新人の方も多いのですが、以前は担当営業以外のメンバーの顔を知らないこともよくありました。今は必然的に顔を合わせるため、「営業ってこんなに人数いたんだ」と驚いている人も多いと思います。

また、以前は同じプロジェクトを担当していても建屋が分かれていることがあり、同じチームなのに働く場所はバラバラという状況もありました。ワンフロアになって全員が同じ場所に集まったことで、一緒に仕事をしている実感が持てるようになりました。

ー働きやすさや成長機会をどう感じていますか?
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移転後のオフィスはとても良い環境だと思っています。ただ「こう使いなさい」と決めつけるのではなく、メンバー自身がうまく活用しながら良い仕事をしてほしいですね。会社として成長していかなければならないので、その成長にこの環境が貢献できたらと感じています。

技術者にとっては、個人の技術力を伸ばすことが大切な成長の目標です。しかし個人のスキルだけでは限界があります。個人ごとにスキルの差はあって当然ですが、互いの知識を共有し補うことで、一定のレベルを全員が身につけられる。それによって外から見ても「誰に任せても安心」と思ってもらえる組織にできる。これは非常に重要だと思います。

うちの会社には、隣の人をライバル視するような雰囲気はありません。助け合いながら、お互いの不足を補い、経験の浅い人には指導して成長してもらう。その結果としてチームが楽になり、組織が強くなる。そういう考え方で働いている人が多いと感じています。

ー会社で印象に残っているエピソードはありますか?
過去に起こったトラブル時の対応ですね。当支社ではトラブルが起きた際、「みんなで助け合って困難を乗り切ろう」と考えます。小さな組織だけですべてを補うのは難しく、どうしてもキャパシティを超えることがあります。その結果としてトラブルが起きるのだと思います。

だからこそ、足りない部分は部署外から精鋭メンバーを呼び寄せて補い、早く解決する。足りないところはうまく頼ることでトラブルを乗り越えるような、一体感や団結力がこの会社には根付いていると感じています。

新しい環境で、次の挑戦をともに

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中部支社は快適な環境の中で技術を磨き、仲間とともに挑戦を楽しめる人を求めています。“人を大切にするオフィス”から、“未来のモビリティを支える技術”が生まれる──。そんな新しい循環を、一緒に育てていきたいと考えています。

ー今後、中部支社が目指す姿を教えてください。
中部支社は車載事業で会社を牽引している拠点であるため、そこをさらに発展させていかなければならないと感じています。

また、車のソフトウェア開発は大きく変化しており、ソフトウェアの量自体が膨大になっています。これまで細かく進めていたプロジェクトも、どんどん大規模化してきています。今後はお客様と一緒に、私たち主導で大規模プロジェクトを推進していきたいですね。

ー新卒・中途採用を進めるうえで、どんな人に来てほしいですか?
コミュニケーションが取れる前提で、特に「失敗を恐れない人」に来てほしいです。最近は学生時代に大きな挑戦や失敗経験が少ない人が増えている印象もありますが、社会人になれば必ず失敗やつまずきがあります。

その時に気持ちが折れてしまうのではなく、学生時代から失敗を経験し、それを乗り越えたことがある人が良いのかなと思います。技術力は入社してから磨けば良いですから。

中途採用に関しては、過去の失敗を糧に「もう一回頑張ろう」という姿勢が見える人が良いですね。

新卒は、元気で前向きに取り組んでくれることが一番です。「こうしなければいけない」と、型にはめるつもりはありません。若いメンバーも増えているので、自由に意見を出して「ああしてみたい」「こうしてみたい」と動いてくれることを期待しています。

むしろ、そのうち私たちが想像していないようなアイデアを提案してくれるのではないかと期待していて、そうした部分を引き出していきたいと思っています。

ー若手社員に向けて、中部支社で働く魅力は何でしょうか?
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環境は間違いなく良いと思うので、その環境をうまく活用して、自分が満足できる「良い仕事」をしてほしいです。満足の基準は人によって違いますし、誰でも壁にぶつかります。その壁を乗り越えた瞬間に達成感があり、「自分でもやれるじゃん」と思えるタイミングが必ず来ます。私自身もそうでしたし、ベテラン社員の多くが同じ経験をしてきました。

若手のうちは「人に聞かないと分からない」「自分で判断できない」と苦しむ時期があると思います。ですが、その過程には失敗も成功も含まれていて、その一つひとつが経験値となり、自信につながっていきます。そこまで積み重ねた先に、ふっと吹っ切れる瞬間が訪れるはずです。

そこに至るまでは辛いこともあるかもしれませんが、中部支社には優しく頼れる仲間がたくさんいます。困った時には必ず助けてくれるので、安心して挑戦してほしいと思います。

ー最後に、これから入社する仲間へメッセージをお願いします。
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当社は、全社で働きやすい環境を実現し、社員の成長を支えています。私自身は他社で働いた経験がないので比較はできませんが、環境はとても良いと感じています。同期や隣の席の人をライバル視するような雰囲気ではなく、仲間として互いに高め合い、「困難を乗り越えて課題を達成していこう」というスタンスの会社です。

そうした考え方に共感してくれる方であれば、きっと働きやすいはずですし、ぜひ私たちの仲間になってほしいと思います。


※記事内における内容、組織名などは2025年12月公開時のものです。
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