東芝情報システム株式会社

ITベンダーから見たRPAの成功導入の秘訣

テレワークやデジタルトランスフォーメーション(DX)をはじめ、昨今のコロナウイルスにより、企業の働き方の改革や柔軟性を高める取り組みが進んでいます。

当社では、2017年からRPAライセンスの販売やRPA導入のためのコンサルティング、導入や教育サービスを提供していますが、昨年春頃からはRPA導入のご相談が多くなっていると実感しています。

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私はRPAの導入コンサルタントとして、多くのお客様の課題やお悩みをお聞きして解決してきましたが、RPAを短期に導入して上手に活用するには "コツ" のようなものがあることに気が付きました。
もちろん、私たちITベンダーの力量も重要な要因ですが、今回はその "コツ" のようなものをお話ししたいと思います。

  1. 第1回:RPAの導入が進んでいる理由
  2. 第2回:RPAの導入で陥りやすい3つの失敗パターン
  3. 第3回:RPA導入を失敗させない "成功の秘訣"

このようなタイトルで書き進めたいと思いますが、途中で方向が変わるかも知れません。
その時は、暖かい目で執筆を見守っていただければ幸いです。

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第1回:RPAの導入が進んでいる理由

近年、DX(デジタルトランスフォーメーション)という言葉が話題となり、さまざまな業界で取り組みが進んでいます。DXとはいったい何でしょうか?

DXは、2004年にウメオ大学(スウェーデン)のエリック・ストルターマン教授によって提唱された概念で、経済産業省が2018年12月にまとめた「デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン(DX推進ガイドライン)」では、

企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。

と定義されています。

この定義の中の「業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革」に素早く貢献する仕組みのひとつがRPAではないかと考えます。

RPAは、「デジタルレイバー」とも呼ばれるパソコンの中のロボットが、人間が行っていた業務をあらかじめ決められたルールに従って忠実に実行するツールになります。
判断を必要としない定型作業や単純作業はロボットに業務を代行させる、特定の人にしかできない属人化している作業をルール化してロボットに代行させることで、人間はより創造的な業務に時間を割くことができます。

業務におけるさまざまな課題

また、RPAはロボットですので、24時間365日、働くことができますし、決められたルール以外のことはできませんので、人間では起こりうる単純ミスも防げます。
まさに「業務やプロセス」を変革して、企業文化や風土を変革できる可能性を秘めていると考えられます。

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テレワーク推進にも有効なRPA

働き方改革に加え、昨今のコロナ禍により、テレワークが進んでいます。この「テレワーク」にもRPAは大きく貢献できる可能性を秘めています。

テレワークでは、"会社" と言う場所に行くことなく、自宅などの "会社" 以外の場所で "会社" にいる時と同じ業務、業務量をこなすことが必要になります。

しかし、通信回線の問題で業務が思うように進まないことやセキュリティが甘くなることでサイバー攻撃のリスクが高まるなど、多くの課題を含んでいるのも事実です。
会社であれば、個人情報や決算情報などの重要な情報もセキュリティに守られているので容易にアクセスできていたのに、テレワークでは資料を持ち出せない、情報にアクセスできないことで業務が滞る、そのために出社するような場面も多く見られます。

先に書いたように、RPAは会社のパソコンにロボットを置いて、社員の業務の一部をロボットに代行させることができます。
ロボットは会社のパソコンにいますので、通信回線やセキュリティは社員が会社にいる時と同じ環境になります。

社員が行う業務の一部をRPAにすることにより、従来の安全な環境が整う会社にいるロボットが業務をこなし、自宅にいる社員はロボットの業務結果を受け取って確認することも可能になります。RPAが『デジタルレイバー』と呼ばれる所以かも知れません。
昔、マトリックスと言う映画がありましたが、マトリックスの世界を実現しているようです。

テレワーク推進にも有効なRPA

第2回:RPAの導入で陥りやすい3つの失敗パターン

前回は、DXやニューノーマルが求められる中、RPAが進んでいる理由をお話ししました。
ここまで読まれた方は、RPAは素晴らしいツール、万能のツールと思われた方もいるかも知れません。しかし、RPAは万能なツールではありません。

最近では、AIを搭載することで、例えばOCRで読み取った手書きの文字の認識率を高めるようなことも実現できていますが、特定の条件を満たした業務にのみ適用できるのが現状です。
私がお客様にRPA活用をコンサルティングする時に、お客様に最初にお伝えすることが以下になります。

  1. ① パソコン内で処理できる業務であること
  2. ② 処理手順(プロセス・ルール)が確立している業務であること
  3. ③ 条件に対して一意の答えが出る業務であること

どういうことなのかを簡単にご紹介したいと思います。

まず、①の「パソコン内で処理できる業務であること」についてですが、RPAは「パソコンの中でのみ動くロボット」になります。
いわゆる人型ロボットではありませんので、例えばパソコン上のExcelで何かしらの処理をした結果を印刷して、印刷した紙をどこかに持って行くようなことはできません。
あくまでも、人間が行う業務の内、「パソコン上で処理できる」業務に限定されます。
上記の例えだと、Excelで何かしらの処理をして、処理した結果を印刷するまではRPAで実現できます。

②の「処理手順(プロセス・ルール)が確立している業務であること」についてですが、RPAはあらかじめ決めた処理手順(プロセス)やルールに沿ってロボットが動く仕組みになります。
例えば、交通費精算伝票を経理システムに登録する場合で考えてみたいと思いますが、交通費精算伝票の項目を読み取って、経理システムにログインして、交通費精算伝票の日付のデータを経理システムの精算日に入力して実行ボタンを押す(プロセス)、日付が入っていない場合はエラーにして通知を出す(ルール)が決まっていればRPAで簡単に実現することができます。
しかし、日付が入っていない時は人間が"判断"しなければならない、またはその都度どうするかを考えて業務を進めなければならない業務ではRPAは適用できません。

③の「条件に対して一意の答えが出る業務であること」についてですが、RPAには万能のAI(万能のAIは存在しませんが)を搭載している訳ではありません。RPAに搭載しているAIはあくまでもアシスタント機能になりますので、「人間が考えて業務を進めなければならない」業務をRPAに代行させることはできません。

RPAやAIは日進月歩で進化していますが、RPAとAIを組み合わせて映画「2001年宇宙の旅(古いですね)」に出てくる「HaL9000(ハル)」のような世界を実現するのは、もう少し先になると思ってください。

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RPAの導入で陥りやすい3つの失敗パターン

お客様におけるRPAの導入を見ていると、導入段階で上手く進まないお客様には3つの特徴があるように感じています。

  1. ① RPAに適している業務の見極めができない
  2. ② 代行させる業務の洗い出しが進まない
  3. ③ 導入後の運用体制が明確になっていない

まず、①の「RPAに適している業務の見極めができない」についてお話したいと思います。
RPAを導入するためには、お客様内部の体制に導入を推進するための推進チームの設置が必要不可欠です。
推進チームはどのような業務がRPAに向いているのかを判断することが役割になりますが、推進チームがRPAでできることやRPAがどう動くのかを理解しないままの場合には、この現象に陥って導入が止まってしまうことが多いと感じています。
もちろん、私たちITベンダーも手厚いサポートを提供していますが、推進チームがしっかりとRPAを理解しているお客様では、私達の出番が無いほどサクサクと自分達で導入を進めてしまうケースも多く見ています。
「見極め」というと難しく聞こえるかも知れませんが、RPAを導入する初期段階では『勘所』が重要だと感じています。

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②の「代行させる業務の洗い出しが進まない」という点は、RPAの導入目的が明確になっていない場合や、RPAの導入を急ぐあまり「RPAを導入すること」が目的になってしまい、代行させる業務のプロセスやルールをしっかりと定義しないままRPAを導入した場合に陥ってしまうことが多いと思います。
また、推進チームがRPAの仕組みやロボットの作り方だけを考えるあまり、代行させたい業務を行っている担当者と目的が乖離してしまい、推進チームが孤立してしまうケースも多く見受けられます。

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③の「導入後の運用体制が明確になっていない」についてですが、RPAはロボットを作るだけで終わりではありません。ロボットを作った後でもロボットのメンテナンスや業務プロセス、ルールの見直しが必要になります。
私はRPAを導入したお客様の8割は運用に課題を抱えていると感じています。運用体制を考慮した長期的なプランを計画していないと、導入後に発生する問題の対応に追われ、予期せぬことで時間を割かれ、RPAの効果を十分に享受することができなくなります。

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第3回:RPA導入を失敗させない "成功の秘訣"

前回は、RPAの導入で陥りやすい失敗のパターンをお話ししました。
最終回となる今回は、多くのお客様へのRPAの導入を支援してきた立場で "成功の秘訣" をご紹介したいと思います。

「ストラテジー」という言葉をご存知でしょうか。意味は「戦略」「策略」「方略」などになります。つまり、勝つための作戦を遂行するにあたり、必要な事柄、知恵、方法、準備、行動などにおいてカテゴリー別に細かな計画を立てる全体の行いを「ストラテジー」と呼んでいます。

RPAには、海外で培った導入方法論があります。
実績のある導入方法論を事前に準備して実施することで、安定した運用を実現することが可能になります。
当社では、Blue Prism社のROM(Robotic Operating Model)をベースにした導入メソトロジ「短期導入キット」を提供しています。
運用に必要な申請書などのテンプレートや自動化業務の優先順位/難易度を自動計算する評価レポートなど、長年培った実績ノウハウが詰まっていますので、ご興味あれば遠慮なくお問い合わせください。

「短期導入キット」の詳細はコチラ

従来型と「短期導入キット」を活用した場合の導入期間の比較

多くのお客様を見て感じた "成功の秘訣"

当社は、2017年からRPAの取り扱いを始め、専門部隊を設置して多くのお客様でRPA導入をサポートさせていただきました。
その中で、RPAをスムーズに導入して、効果的に活用されているお客様の特長を3つ、紹介したいと思います。

  1. RPAによる業務自動化をトップダウンで推進する、圧倒的なリーダーシップを持った推進者がいること
  2. 開発だけではなく、保守も踏まえた自社でRPAを運用するためのガイドラインを整備していること
  3. RPA開発に体力を捻出できる専任の開発者がいること

現場から「めんどうくさいな、自分じゃなくてもできるんじゃないかな」と思う業務をアイディアベースで洗い出してもらい、推進チームがヒアリングを行い、評価レポートなどを活用して判断することで、"RPAで代行できる"、"自社にとって効果が見込める" 業務を決め、スムーズにロボットを作り、現場に効果を実感してもらうことが肝要だと考えます。
これができるようになれば、継続的に自動化の候補が出され、RPAによる業務の代行がどんどん広がっていく好循環を作り出せているのではないかと考えます。

逆に、RPAを導入した後、なかなかRPAの活用が進まない場合には、自社にとって最も重要と思われる目的に立ち戻ってください。
そして、改めて目的を共有した上で、「自分の仕事がロボットに奪われる」という心のバリアを取り除いて、アイディアベースで代行する業務の抽出を促してください。

また、推進チームやロボットを開発する方への報奨制度やRPAを導入した現場の感謝の声を集めて発表会をしているお客様もいます。その会社では、RPAで業務を代行させて、自分達は "価値ある知的なビジネスにシフト" することが徹底され、どんどんRPAの活用が広がっています。
経営者や推進チームだけではなく、現場の業務改革の意識が変わっていけば、DXにも繋がり、ビジネス環境の激しい変化にも対応できる企業になっていけるのではないでしょうか。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。
当社では、RPAの導入支援からロボット開発、運用支援まで幅広いサービスを提供しています。
RPA導入や活用、運用でお困りであれば、お気軽にご相談ください。

「RPA提供ソリューション」の詳細はコチラ

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