Toshiba Information Systems (Japan) Corporation

事例紹介Healthcare solution

R4Navi Case Study Geriatric Facility [IKOI NO MORI]

介護老人保健施設におけるドーナツ型多職種協働を協力に支援

R4Navi Case Study  Geriatric Facility [IKOI NO MORI]

三重県津市河芸町を中心とした地域ケアの中核拠点として1997年5月に開設された、医療法人緑の風が運営する介護老人保健施設「いこいの森」。 2001年に世界保健機関 (WHO) によって策定されたICFの ステージングに基づいて老健施設でのチーム介護を効率よく実践できる仕組みとして考えられたのが、入所前面談 (インテーク) からケアプランの策定、実施、評価まで、ドーナツ型の多職種協働としてのチームワークを支援する「新全老健版ケアマネジメント方式R4システム」です。

課題

要介護度や年齢など情報の更新が自動で行われず、手動で行う必要があった。R4 電子化シートと請求システムとの連携が行われておらず、二重入力が発生していた。 手作業でシステムに入力せざるを得ないため、入力ミスが懸念されていた。

解決

平均介護度や平均年齢などフロアごとの集計情報が手軽に出力できるようになり便利となった。 将来的なベッドの空き情報を迅速に把握できるようになり、居宅ケアマネージャからの問い合わせに対して、すぐに情報提供が可能になっている。

チーム介護の効率的な
アセスメントに貢献する

「R4Navi」

介護老人保健施設における
ドーナツ型多職種協働を強力に支援

導入の背景

高齢者に欠かせない地域ケアの
中核拠点となるリハビリテーション施設

三重県津市河芸町を中心とした地域ケアの中核拠点として1997年5月に開設された、医療法人緑の風が運営する介護老人保健施設「いこいの森」。 在宅療養支援診療所の指定医療施設が併設されている同施設は、およそ100名の入所者及び日々70名を超える通所者を迎えており、利用者の家庭復帰を支援する様々な活動を行っている。

高齢者の生活の場となり終の棲家となる特別養護老人ホームとは異なり、自宅での生活を可能にするためのリハビリテーション施設として位置づけられる介護老人保健施設 (以下、老健施設) には、医療をはじめ、看護や介護、リハビリテーションといった様々な機能が備わっている。 そのため、医師はもちろん、看護師や介護職員、理学療法士、作業療法士、言語聴覚療法士、食事を担当する管理栄養士、支援相談員の肩書を持つソーシャルワーカー、そしてケアマネージャなど、多くの専門職種の方が施設の運営に関わっている状況だ。 また、医師を頂点としたピラミッド型の形態とは異なり、関わりのある各職種の方が平等な役割を持つドーナツ型の多職種協働を基本として施設が運営されているのも老健施設の特徴の一つとなっている。 他にも同施設では、全国の老健施設の中でもわずかしか手掛けていない「訪問リハビリテーション」の機能も併せ持っており、地域ケアの中核拠点として高齢者に欠かせない重要な施設となっている。

そんな同施設が新たな仕組みを導入するきっかけとなったのが、2001年に世界保健機関 (WHO) によって策定された「ICF」だった。

導入の経緯

WHO で策定された新たな指標を現場に浸透させる仕組みの構築へ

ICF とは、人間の生活機能と障害の分類法として新たに確立された指標のこと。 以前は ICIDH と呼ばれる国際障害分類が利用され、同施設でも ICIDH に基づいた施設独自のアセスメントツールを用いて利用者の状態を把握していた。 しかし、新たな国際標準となる ICF が策定されたことで、この ICF に基づいたアセスメントツールへの切り替えが検討されることになる。

しかし、ことはそう簡単ではなかったと同施設の理事長であり施設長の東 憲太郎氏は当時を振り返る。 「ICF は1500項目にも及ぶ幅広い内容だったため、現場での適用が難しい状況でした。 そこで、実用的なものとして現場で使えるよう、公益社団法人全国老人保健施設協会 (以下、全老健) が ICF に基づいた新しいアセスメントツールの開発を開始したのです」 (東氏)。

全老健では約5年の歳月をかけて ICF を研究し、全国の老健施設での検証を積み重ねることで統計的な数値を反映させ、最終的に ICF ステージングというアセスメントツールを開発することに成功する。 そして、この ICF ステージングに基づいて老健施設でのチーム介護を効率よく実践できる仕組みとして考えられたのが、入所前面談 (インテーク) からケアプランの策定、実施、評価まで、ドーナツ型の多職種協働としてのチームワークを支援する「新全老健版ケアマネジメント方式R4システム」だった。

介護老人保健施設「いこいの森」 理事長 施設長 東 憲太郎 氏

ICF: International Classification of Functioning, Disability and Health

ICIDH: International Classification of Impairments, Disabilities and Handicaps

「新全老健版ケアマネジメント方式R4システム」概要

介護老人保健施設「いこいの森」 理事長 施設長 東 憲太郎 氏

導入のポイント

業務支援のための仕組み作りにいち早く名乗りを上げる

このR4システムを現場に浸透させるべく、まずは紙によって運用を行うことで検証を重ねていきながら、多くの施設で利用しやすくするために簡易的なソフトによるR4システムの構築が計画された。「将来的にはシステム化を目指すべきだというのは当初から考えていました。 そこで、なるべく多くの施設で利用できるよう、まずは簡易的なソフトでシステム化を図ったのです」 と東氏。 その過程で、様々な企業にシステム化への呼びかけを行ったところ、最初に手をあげたのが東芝情報システムだった。

そこで、本格的なシステム構築を行う前段として、情報共有を行いながらチームコラボレーションが可能な FileMaker をベースに簡易的なシステムを構築。3年ほど運用したのちに、R4システムに対応した老健施設業務支援パッケージとして「R4Navi」が東芝情報システムによって開発された。この R4Navi は ICF ステージングに基づいたチーム介護の効率的なアセスメント支援と高齢者の在宅復帰を手助けするマネジメントインフラとして、公益社団法人全国老人保健施設協会の認証取得 第1号となり、同施設のアセスメントツールとして2013年2月から利用されることになった。

導入の効果

状態の可視化を実現、業務の効率化・省力化に大きく貢献

R4Navi は、「プレ・インテーク・シート」や「総合計画書」など、R4システムのフローに沿って必要なすべての書式に標準対応しており、各業務フローに沿ったステータスを一覧で管理できるだけでなく、専門職のコメントを同時に入力できる「電子カンファレンス機能」を装備。 適切な支援パターンの分析が可能な「ICF ビュー機能」など、豊富な機能を備えている。 また、iPad を導入することでいつでもどこからでもシートが参照できるようになっており、会議資料など業務におけるペーパーレス化にも一役買っている。

実際の評価について東氏は「利用者の状態を科学的な数値に基づいて定量的に判断できるようになったのは大きい。 状態の可視化によってご家族への説明がしやすくなり、お互いの理解度も高まっています」と評価する。

また、システム化によって業務の効率化、省力化にも大きく貢献しているという。 「以前は紙を事前に準備して会議に臨んでいましたが、今はコピーなどの事前準備に時間をかけることがなくなりました。 また、会議で決まったことや変更事項もその場で修正できるため、作業効率が上がっています」と語るのは社会福祉士であり介護支援専門員でもある矢橋 貴之氏だ。 ケアプランの見直しがあった場合、状態に大きな変化のない方であっても以前はすべて書き直しを行っていたが、現在は過去の情報をそのまま流用できるため、プランの再設計も容易になっていると矢橋氏は使い勝手の良さを力説する。

介護支援専門員 社会福祉士 矢橋 貴之 氏

支援相談員の川原田 千枝氏は「以前の状態と現在の状態を比較する際にも、PC の画面上ですぐに比較できます。 意識して紙のシートを探さないといけなかった以前と比べると、情報の可視化に大きく貢献しています」とその利便性の高さを評価する。

各職員の意識にも変化が表れていると東氏は分析する。 「多職種協働は以前から意識していましたが、R4Navi 導入によって専門知識を活かしたプランをそれぞれが提案できるようになり、実際に現場で働いている職員の方のモチベーションアップにも貢献しているようです」 (東氏)。 さらに矢橋氏は「書面が共有しやすくなったことで、各担当者同士が活発に意見交換できるようになったことも大きな効果だと考えています」と評価する。

他の老健施設に比べて先進的な取り組みを行っている同施設では、今でも R4Navi を用いて現場の運用に沿った様々な改善を継続して行っている。 「現在は、より使い勝手のよい仕組みにしていくための過渡期にありますが、一緒に作り上げてくれるパートナーとして東芝情報システムに対する信頼感は高い」と東氏。 現場で運用している川原田氏も「R4システムが生まれるところから関わっていただいているので、現場としても一緒に協力して作り上げていかなければいけないという意識を強く持っています」と R4Navi の更なる改善を目指している。

支援相談員 川原田 千枝 氏

なお、東芝情報システムについては 「普段 PC の操作に慣れていない職員も多かったものの、導入前には、PC を20台ほど用意してもらい、シートの入力などの勉強会をこまめに開催していただき感謝しています。 丁寧に指導していただいたおかげで、スムーズに利用できるようになりました」 と導入支援における丁寧な対応も評価は高い。

将来展望

ICF ステージングの活用用途を広げながら、
医療と介護の連携にも期待

今後について東氏は、ICF ステージングの活用シーンをさらに広げていきたいとその展望を語る。「R4システムは老健施設に向けたものですが、ICF ステージング自体は特別養護老人ホームや居宅介護支援業者などにも利用できるアセスメントツールです。 活用の幅を広げていけるよう、様々な働きかけをしていきたい」。 また、東氏は、「ICF ステージングを利用することによりケアやリハビリの質が高まるというエビデンスを作っていくことで、将来的には介護報酬の加算に繋がる可能性を秘めています」と経営的な面での今後の展望も示唆している。

日々現場で活用している川原田氏からは、「現在は各シートの参照などで iPad を利用していますが、入退所の状況表や居室管理表も iPad 上で管理できるように改善していただきたい」とさらなる機能拡張に期待を頂いている。

施設情報

施設名 医療法人 緑の風 介護老人保健施設「いこいの森」
設立 1997年5月20日
代表者 理事長 東 憲太郎
所在地 三重県津市河芸町東千里3-1
施設概要 地域ケアの中核拠点として、1997年5月に開設。 利用者の特性に応じた介護・看護・医療ケアを行い、多くの利用者の家庭復帰を目指した様々な支援をサポート。 在宅療養支援診療所の指定を受けた千里クリニックが併設されており、利用者の急変時における対応も可能。
URL 介護老人保健施設 いこいの森
導入プロダクト R4システム対応ソフトパッケージ「R4Navi

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