導入事例 - ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社 ビジョンケア カンパニー
- 概要
- 導入背景
- 選定ポイント
- 運用ポイント
- Solution Focus
選定ポイント
他部門とのシームレスな連携でスピーディな対応を実現
AR Systemの最大の特徴は開発が短期間で容易に行えることにあるが、同社がAR Systemを選んだ理由も、まさにそこにあった。
カスタマーサービスに寄せられる問い合わせには、3つの種類がある。コンタクトレンズを使用するエンドユーザー、直接の顧客である販売店や関係する眼科、そして同社営業部門の現場からの問い合わせだ。
販売店からは、商品や販促物に関する質問やオーダーの依頼、出荷や配送状況の確認などの問い合わせが中心で、営業部門からもそれらに関する問い合わせが寄せられる。一般的な企業の場合、これらの問い合わせは、営業部門が関連部署や顧客とコミュニケーションを取りながら対応していくケースが多いが、同社の場合、営業は本来業務である商品説明や企画提案に注力して、それ以外はカスタマーサービスが集約して対応する方針を掲げている。
そのため同社では、カスタマーサービスが社内外の窓口となって、コールから発生するさまざまな作業を関連部署に割り振る役目を担っているが、それを実現するには関連部署とのシームレスな連携が必要であり、そうしたシステム環境を作るのに相応しい開発環境がAR Systemだったのだ。
例えば販売店から、「予定通りに商品が届いていない」という問い合わせがあったとしよう。オペレーターがAR Systemのデータベースに入力すると、同社が契約する配送会社に設置したAR System端末にポップアップが上がって対応を依頼。アクションを起こしてステータスが変化すれば、カスタマーサービスのほうでも確認ができ、案件がクローズになるまで追える仕組みになっている。もちろん社内の場合も同じ。品質に対するお問い合わせをオペレーターが入力すれば、同社の品質保証部に自動的に仕事が割り振られる。
「こうした連絡はメールでも可能ですが、メールは受け取った人しか読むことができず、ステータスの管理も困難です。組織として効率的に対応するには、関連部署にもシステムを展開して、1つのデータベースの画面をカスタマーサービスと共有することが重要。短期間で開発が可能なAR Systemを選んだのは、結果的に最適な判断だったと思います」
導入効果
VOCの蓄積から、分析・活用のステージへ
カスタマーサービス部
プランニング・エンド・ディベロップメント
主任
知念俊成 様
開発の容易さは、同時に小回りの利くシステム運用にもつながっている。例えばユーザーからカスタマイズの要望があった場合も、時間をかけずにタイムリーに対応できる。奥田氏は次のように語る。
「あるとき、マーケティング本部から、『新しいCMについての問い合わせがどれくらいあるのかを把握したい。できれば明日から』というリクエストがありました。普通ならコールの種別の項目を1つ追加するだけでも何日も要しますが、AR Systemなら簡単に変更が可能。ユーザーの声を反映しながら、システム設定を都度更新しています」
項目変更といった小さなカスタマイズはもちろん、業務プロセスの変更に伴うシステム変更など、比較的大規模なカスタマイズも迅速に対応している。2008年4月には、カスタマーサービスの業務見直しに合わせて、大幅な変更を行った。カスタマーサービス部プランニング・エンド・ディベロップメント主任の知念俊成氏は、今回の見直しについて次のように解説する。
「これまではコールの内容をひたすら蓄積していくことが中心で、それらを分析して次のアクションにつなげるという視点に欠けていました。約2年前からVOC(ボイス・オブ・カスタマー)の重要性に着目してレポートも作っていましたが、それも目立つ声を紹介するという程度。VOCを的確に捉えて次の施策の判断材料にするには、コールの中身を定量的・定性的に把握して分析するための環境が必要でした」
システムとして大きく変更したのは項目の整理だ。コールの内容は、大分類、中分類、小分類の3つの階層に分けて分類されていくが、これまでの分類に当てはまらないコールがあるたびに新しい項目を継ぎ足して追加してきたので、整理する直前は、小分類が700項目近くまで増えていた。700項目になると、実質的には重複している項目も少なくない。そのため同じ内容のコールでも、オペレーターによって分類する項目が違うという現象が起きていた。
それがカスタマーサービスの業務に直接的な影響を与えるわけではないが、コールの分類にムラがあると正確な把握が難しく、分析もできない。そこで昨年9月から1つひとつの項目について精査。重複するものや不要なものを整理して、約120項目にまとめた。知念氏はその作業をこう振り返る。
「AR Systemに入力する内容が変われば、それに対応する他部署の業務にも影響が出ます。カスタマーサービス内だけで勝手に整理するわけにはいかないので、他部門と調整をしながらまとめていくのが大変でした」
また、それまで顧客やエンドユーザーの声とそれに対するオペレーターの発言を同じコラム内に入力していたが、コラムを分離することに。これは正確にテスキトマイニングするための変更だ。
「VOCを定量的に拾いたくても、オペレーターの対応が同じコラム内にあると正確なマイニングができません。コラムの分離は、今回の見直しで外せない要件の1つでした」
現場のニーズを反映した新しいシステムは、2008年2月にカットオーバー。その効果は早くも現れ始めている。以前はカスタマーサービスのレポートのほんの一部分に過ぎなかったVOCレポートは、現在は月刊ベースでパワーポイント50枚分の量に増加。単純に枚数が増えればいいというものでもないが、以前に比べて深い分析ができるようになったことは間違いない。
カスタマーサービスが販売店やエンドユーザーに対応する際に使用するFAQの内容が大きく変わった。
「以前からFAQはありましたが、本当に『よくある質問』なのかという検証はされていませんでした。今回、テキストマイングしやすい環境を整えたことで、掛け値なしのよくある質問が浮かび上がり、お客様にとって本当に必要なFAQを作ることができました」
さらに現在は、AR SystemとFAQを連携させるカスタマイズを行っている。例えばオペレーターが「現在、行われているキャンペーンは何か?」という販売店からの問い合わせをAR Systemに入力すると、オンラインでつながったFAQから適切な回答が上がってくる仕組み。これによってコールへの対応が迅速になり、オペレーターによるブレもなくなることが期待されている。
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